ITエンジニアにはどんな種類がある?気になる年収やおすすめの資格まで徹底解説

この記事では、ITエンジニアの種類・概要について解説します。

近年、コンピューターとネットワークを利用した技術であるITは、ますます発達をしています。

それに比例し、ITエンジニアの需要も高まっている傾向にあり、ITエンジニアとして働きたいという方も増えています。

ITエンジニアといっても、どのような種類があるのか、年収はどのくらいなのかまで、しっかりと理解している方は、そう多くないのではないでしょうか。

本記事では、ITエンジニアの種類や年収、ITエンジニアにおすすめの資格などについて詳しく解説します。

目次

ITエンジニアにはどんな種類がある?

ITエンジニアといっても、種類はさまざまあります

ここでは、下記の10種類とそれぞれの仕事内容を紹介ついて解説します。

  • システムエンジニア(SE)
  • プログラマー
  • Webエンジニア
  • アプリケーションエンジニア
  • テストエンジニア
  • サーバーエンジニア
  • データベースエンジニア
  • セキュリティエンジニア
  • クラウドエンジニア

システムエンジニア(SE)

システムエンジニアは、クライアントの要望を聞き、要望に適したシステムを提案、開発をする仕事です。

主にシステム設計とプログラミングをしますが、プログラミング自体はプログラマーに依頼をするケースもあります。

また、システムだけでなくメンバーや予算の管理、全体の進行管理を行う場合もあるため、ITに対する高いスキルだけでなく、マネジメント能力が求められます。

プログラマー

プログラマーとは、プログラミング言語を用いて、さまざまなソフトウェアやシステムを作る仕事です。

システムエンジニアなどが作った仕様書をもとに、システム機能のプログラミング実装を担当します。

Webエンジニア

Webエンジニアとは、Web上で動くシステムを構築し、開発する仕事です。

Webエンジニアは、フロントエンドエンジニアと、バックエンドエンジニアに分けられます。

  • フロントエンジニア:ユーザーが情報を入力する画面やトップ画面など、ブラウザで表示される部分であるWebサイトの画面を設計する
  • バックエンドエンジニア:Webサービス上で入力されるデータとデータベースとの連携や投稿機能などの、主にシステムの裏側の処理を担う

アプリケーションエンジニア

アプリケーションエンジニアは、主にスマートフォンやパソコンなどのアプリケーションの開発や設計、運用をする仕事です。

スマートフォンやパソコン以外に、企業の業務効率化を図るために導入される、勤怠システムや給与システムなどのアプリケーションの開発をすることもあります。

テストエンジニア

テストエンジニアとは、構築されたシステムやソフトウェアの動作確認を行い、検証する仕事です。

近年は、テスト自体を自動化する傾向があり、生産性や効率性を図るため、テストエンジニアには、自動化ツールの作成と操作スキルが求められます。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアは、その名のとおりコンピューターネットワークの設計、構築、運用、保守を担うエンジニアです。

先述のシステムエンジニアやプログラマーとは違い、プログラミングをすることはあまりなく、ネットワーク機器に対する知識と技術が必要とされます。

サーバーエンジニア

インターネットに欠かせないサーバーを構築、設計し、管理保守をするのがサーバーエンジニアの仕事です。

先述のネットワークエンジニアと混同されることが多いですが、サーバーエンジニアはサーバーを動かすアプリケーションを担当しています。

サーバーがダウンしてしまっても稼働できるような危機管理や、サーバーの負荷を分散させることも業務の中で重要な要素です。

データベースエンジニア

データベースエンジニアは、企業が保有するデータの保管や、運用、システム構築、保守を行う仕事です。

大量のデータを管理し、活用することができるデータベースの管理と運用は、多くの企業から重要視されています。

クライアントがどのようなデータベースを求めているか、どのように活用したいのか、ということをヒアリングし、ニーズに合ったデータベースを開発することが重要な業務になります。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、情報セキュリティの専門的な知識を活かしながらシステムの設計、構築、運用を行います。

サイバー攻撃などからシステムやソフトウェアを守るため、クライアントと相談し、必要なセキュリティシステムの企画提案、設計をすることが大事です。

機器の設定やプログラミングのスキルも必要とされます。

クラウドエンジニア

クラウド上のインフラ設計、システム環境構築、保守や運用などを行うのがクラウドエンジニアの仕事です。

近年は、コスト削減や開発のスピードアップのために、クラウドサービスを使用する企業が増加しています。

また、新規開発において、インフラ環境をクラウド上で構築することもあります。

クラウドエンジニアにはクラウドツールに関するスキルだけでなく、インフラ知識も必要とされるため、幅広いスキルが求められます。

ITエンジニアに向いている人材とは?

ITエンジニア向いている人とは、どんな人でしょうか?

IT業界のトレンドの流れは速いため、新しい技術を意欲的に取り入れることができる、または新しく知識を吸収することが好き、という方がITエンジニアに向いているといえるでしょう。

エンジニアと聞くと、ひとりで黙々と作業をする印象が強いかもしれませんが、開発プロジェクトには、さまざまな方々がかかわっています。

そのため、協調性の高さも求められます。

クライアントにヒアリングしたり、社内メンバーをまとめたりする必要もありますので、コミュニケーション能力も必要とされるでしょう。

そして、システムを構築する際には、無駄なく生産性の高いシステムが求められますので、常に効率を重視している方は、ITエンジニアに向いています。

また、ITエンジニアは、業務の大半はコンピューターに向かっているので、地道な作業が好きであることも重要です。

それぞれのITエンジニアの年収は?

ITエンジニアは実力次第で、高い年収を目指すことができます。

前出の項目で、ITエンジニアの種類と仕事内容について紹介しましたが、ここではITエンジニアのそれぞれ種類の年収について詳しく解説していきます。

システムエンジニア(SE)

システムエンジニアの平均年収は656万円といわれており、20代後半が465.8万円、30代後半が583.8万円、40代後半が734.7万円で、年齢を重ねてキャリアを積んでいくことにより、年収が高くなります。

システムエンジニアはプログラミングスキルだけでなく、クライアントの要望を聞き、プログラマーに的確な指示をするコミュニケーション能力、さらにスケジュール管理やチームのバランスを保つマネジメント能力も求められるため、平均年収が高い傾向にあります。

プログラマー

プログラマーの平均年収は420万円といわれており、先述のシステムエンジニアと比較すると低い傾向にあります。

また、年代別に見ても大きく変化がないともいわれています。

しかし、プログラマーは扱う言語によって年収が変わりますので、需要の高い人気の言語を選ぶと年収も比例してアップすることが可能です。

Webエンジニア

Webエンジニアの平均年収は456万円といわれています。

先述のシステムエンジニアと比較すると年収は低い傾向にありますが、Webエンジニアの年収は企業によって大きく異なります。

例えば、メガベンチャーと呼ばれる企業では、新卒でも年収400万円超えることもあります。

Web業界は、これからさらに成長が予測されますので、業界全体の給与水準も上がる、と期待されています。

アプリケーションエンジニア

アプリケーションエンジニアの平均年収は456.6万円となっており、IT・通信の技術系全体の平均年収457 万円とほぼ変わらない金額といわれています。

アプリケーションエンジニアにおいても、勤める企業が日系企業か外資系企業か、あるいは業務委託か自社開発かなど、さまざまな要素によって収入に差が出るのが現状です。

テストエンジニア

テストエンジニアの年収は、キャリアの年数にもよりますが、経験5年程度になれば平均年収は500万円ほどといわれています。

テストエンジニアの年収が、ほかのITエンジニアの年収よりも高い傾向にある理由は、システム全体を把握し、ソースを読むスキルで漏れのないテスト仕様書を作成するスキルが必要なためです。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニア全体の平均年収は457万円といわれており、大企業のネットワークエンジニアの平均年収は759.8万円、中小企業のネットワークエンジニアの平均年収は628.8万円となっています。

企業の規模によって差が出やすい点は、ITエンジニアすべてにおいての共通点ですが、大企業の場合はネットワークもその分、大規模になる傾向にあるため、年収も比例して高くなっています。

サーバーエンジニア

サーバーエンジニアの平均年収は、20代では約400万円、30代では約500万円といわれており、未経験から経験2年程度まででは、300万~400万円程度となることが多い傾向にあります。

サーバーの構築・設計の経験を数年程度積むと、400万~500万円ほどになります。

先述のシステムエンジニアと比較すると少し低い傾向にありますが、サーバーエンジニアでもさらにプロジェクトマネジメントのスキルなどを身につけ、10年以上の経験があれば500万円以上となることも珍しくないといわれています。

データベースエンジニア

データベースエンジニアの20代の平均年収は479万円、30代の平均年収は626万円、40代の平均年収は795万円といわれています。

20代であっても日本の平均年収より高く、30代になると難易度の高い業務に携わることが多くなるため、さらに年収が上がります。

ビッグデータの扱いに長け、データの抽出・分析もできる人材の需要が高まっている状況で、高い専門性が求められることが高収入の要因につながっています。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアの年収は日本での平均年収は600万円前後といわれていますが、スキルや技術レベルによって年収が大きく変わるため、初級レベルのスキルしかない場合は300万円程度です。

職種や資格によって収入は大きく異なる傾向にあり、高いレベルの資格と職務経験があると年収が大きく増えるといわれています。

セキュリティエンジニアの仕事は、万一のことが起きないために、常にサイバー攻撃などに対して先手を打つ必要がある高度な技術が求められるので、個人によって収入が大きく異なります。

クラウドエンジニア

クラウドエンジニアの平均年収は、594万円といわれています。

これは、クラウドエンジニアをはじめ、ネットワークエンジニアやサーバーエンジニアも含まれるインフラエンジニア全体の平均年収である502万円より高い傾向にあります。

その理由は、現在がオンプレミスからクラウドへの移行過渡期であるため、クラウドエンジニアの需要が高まっていることが平均年収にも比例しているといえます。

未経験からITエンジニアを目指すなら!取っておきたい資格

未経験者にはIT資格の取得を、おすすめします。

未経験からITエンジニアを目指す際は、資格を取っておくと転職に有利に働きます。

IT系の資格には、国家資格と民間企業が主催しているベンダー資格の2種類があります。

まず、国家資格で取っておきたい資格は「基本情報技術者」があげられます。

「基本情報技術者」は、IT系の資格でもっとも有名な資格で、ネットワークやデータベース、プログラミング言語に関する基本的な知識を証明する資格です。

毎年受験者数は10万人以上にものぼり、ITエンジニアの基礎資格といわれていますので、ぜひ取得しておきましょう。

ベンダー資格では、「LPIC」があげられます。

「LPIC」は、Linux技術者としてのスキルレベルを認定するベンダー資格ですが、国際資格でもあります。

Linuxは、WindowsやMacといったOSの1つで、インターネットサーバーの大半を作ることに用いられています。

「LPIC」の資格を取得することによって、サーバーに関する知識やスキルを証明することができます。

また、「LPIC」同様Linuxの認定試験を実施しているNPO法人のLPI-Japanが独自に作ったテスト「LinuC」という新しい資格も注目されています。

「LPIC」は国際資格ですが、「LinuC」は日本の市場に最適化した日本独自の試験で、日本市場のニーズに合わせた試験となっています。

クラウド時代のすべてのIT技術者に必須の認定試験といわれていますので、ぜひ取得することを目指しましょう。

【種類別】ITエンジニアにおすすめのIT資格

ITエンジニアの種類ごとに、おすすめのIT資格を紹介します。

ITエンジニアを目指すなら、どのエンジニアになっても有効な資格ばかりですが、特に取得しておきたいという観点で見てみてください。

システムエンジニア・プログラマー

前出の項目で紹介した、「基本情報技術者」の資格は、システムエンジニアを目指す多くの人が受験しているといわれています。

こちらの資格はシステムエンジニア、プログラマーともにおすすめです。

ほかに、プログラマーにおすすめの資格は、「C言語プログラミング能力認定試験」です。

2級以上を取得していれば採用応募時にアピールができ、実際にプログラミングのスキルを身につけることが可能になります。

Webエンジニア

HTML5を取り巻く幅広い知識を習得できる試験「HTML5プロフェッショナル認定試験」はWebエンジニアの中でもフロントエンドエンジニアになるために、身につけておきたい知識やスキルを学べる資格といわれています。

サーバーエンジニア

「Rails技術者認定試験」は、Rubyの代表的なフレームワークであるRuby on Railsの専門知識を問う試験であり、サーバーサイドエンジニアを目指している人におすすめの資格です。

前出の項目でご紹介したLinux技術者としてのスキルレベルを認定する資格「LPIC」の資格取得もおすすめです。

アプリケーションエンジニア

アプリケーションエンジニアには、「アプリケーション技術者認定試験」の取得を推奨します。Android OSに対応したアプリケーションを開発するエンジニアを認定する試験で、実務に即したスキルや能力を持っているということを証明できます。

テストエンジニア

「JSTQB認定テスト技術者資格」は、テストエンジニアが取得すべき資格としてあげられます。

テスト設計やテスト設計の分析、テスト工程のマネジメントなどの知識を習得できる資格で、ISTQBと連携していて、海外でも通用する資格です。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアとしての設計開発や、管理に関する能力を試される試験「ネットワークスペシャリスト試験」は、ネットワークエンジニアにおすすめの資格になっています。

データベースエンジニア

「データベーススペシャリスト」は、データベースの構築に必要な知識を有していることを示す国家資格ですので、データベースエンジニアを目指している方は、取得を考えるべき資格です。

セキュリティエンジニア

セキュリティ系の資格「CISCO技術者認定 CCNA」は世界的にも有名なネットワーク機器メーカーによる国際資格の1つであり、セキュリティエンジニアにおすすめの資格としてあげられます。

ネットワークエンジニアやクラウドエンジニアにも取得しておくとよい資格です。

クラウドエンジニア

「CISCO技術者認定 CCNA」以外に、クラウドエンジニアにおすすめの資格は、「AWSプラクティショナー」もあげられます。パブリッククラウドの中で最大シェアといわれている「AWS(Amazon Web Services)」の認定試験であり、クラウドエンジニアにとって必須といわれる資格です。

ITエンジニアにおすすめの資格勉強法

IT資格の勉強に効果的な方法を紹介します。

いざ資格を取得するとなると、資格試験に合格するために効果的な勉強をすることが大切になります。

ここでは、ITエンジニアが資格取得を目指す際に、おすすめの勉強法について解説します。

反復学習法

ITエンジニアは多忙なため、隙間時間を効率よく使える勉強方法「反復学習法」がおすすめです。

まず、取得したい資格の過去問題を解き、自分の得意分野と苦手分野を明確にします。

そして、苦手分野のみ対策本の解説を熟読します。

解説を理解することができたら、過去問題に再チャレンジし、間違えた問題は苦手分野として、再度対策本の解説をしっかり理解できるように熟読します。

1回分の過去問題で合格基準点に達するまで、上記の方法を繰り返して勉強するのが、反復学習法です。

手を動かして学ぶ

「LPIC」や「LinuC」などのインフラ系資格取得の勉強方法は、とにかく手を動かして学ぶことが大切です。手を動かすことは、実務にも必要なことです。

まずは、Linuxサーバー構築などを自宅で試してみましょう。

初心者の方には、Linux技術者認定(LinuC)を運営しているLPI-Japan提供の標準教科書を使って勉強するとよいでしょう。

e-ラーニング

独学での勉強は、わからないことをすぐに聞くことができません。

また、実際の画面の動きがわからないなど、限界を感じることもあるでしょう。

そういった際には、e-ラーニングを利用する勉強方法が効果的です。eラーニングでは、インターネットを利用するため、隙間時間での勉強も可能です。

さらに、いつでもどこでも自分のペースで勉強ができるメリットがあります。

わからないところを解説してくれて、学習計画を立ててくれるサポートサービスがあるeラーニングを選べば、独学で感じた限界を解消することができるでしょう。

目的やキャリアに合わせた資格取得を

IT資格を取得することが目的ではありません。

一言でITエンジニアといっても、さまざまな種類があり、求められるスキルや能力が違うため、年収にも差がある、ということがわかりました。

未経験からITエンジニアを目指すという人も、すでにITエンジニアとして働いているけれどスキルアップを目指しているという人にも、それぞれの種類に適したIT資格を取得することを推奨します。

TECHHUB(テックハブ)では、紹介したIT資格の「LPIC」「LinuC」「CCNA」「AWSプラクティショナー」の取得に必要な知識を学べるeラーニング講座を提供しています。

7日間の無料体験もできるので、活用してみてください。

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